日本の世論調査データセット

個票データが公開されている、日本人を対象とした政治学系世論調査のリスト(2024年6月3日更新)

以下は、日本で実施された(されている)、政治学的な質問を含む学術的世論調査のリストです。ほとんどのすべての調査について、個票データが一般に公開されています(購入する必要が稀にあります)。

なお、このリストは(日本を調査対象に含む)国際比較世論調査は含んでいません。そのようなデータについては、別のリストを作成する予定です。

リンク切れや質問があれば、遠慮なく知らせてください!また、新しくデータが把握できれば、適宜アップデートしていく予定です。

選挙世論調査

選挙世論調査は、選挙時期に合わせて実施される世論調査です。多くの場合、選挙直前に投票意思を聞き、選挙後に投票結果を聞くという2波構成になっています。一回しか実施されない場合は、多くの場合選挙後に投票結果だけを聞くものが多いです。

Japanese Election Studies (JES) [1967–]

いくつかのプロジェクトに分けて、最も日本で長く続いている選挙世論調査です。各プロジェクトは、選挙時に実施されるいくつかのパネル・サーベイから構成されています。この調査は、アメリカにおける選挙世論調査であるAmerican National Election Study (ANES)を日本で実施することを目標に始まっています。

  • Japanese National Election Study (JNES) (1967): 代表性のある日本全国のサンプルで行われた調査の中では(おそらく)最も古い調査です。1967年の衆院選の前と後に2波のパネル・サーベイで実施されています。回答回収方法は、訪問面接法です。個票データと質問票(英語)が、ICPSRから公開されています。

  • JABISS (1976): 代表性のある日本全国の回答者サンプルを用いた調査です。1976年の衆院選の前と後に2波のパネル・サーベイで実施されています。JABISSという名前は、調査実施の中心となった研究者の名前と出身国の頭文字であるJ (Japan/Joji Watanuki)、A (America)、B (BRadley Richardson)、I (Ichiro Miyake)、S (Scott Flanagan)、S (Shisaku Kohei)からとられています。「Japanese Voter」という、日本の投票行動研究の原点になっている本のベースになっている調査です。回答回収方法は、訪問面接法です。個票データと質問票(英語)が、ICPSRから公開されています。日本語版のデータは、レヴァイアサン・データバンクから有料で公開されています。

  • JES (1983-1984): 代表性のある日本全国の回答者サンプルを用いた調査です。1983年6月の参院選後、1983年12月の衆院選前後の3波のパネル・サーベイで実施されています。回答回収方法は、訪問面接法です。個票データは、レヴァイアサン・データバンクから有料で公開されています。

  • JES II (1993-1996): 代表性のある日本全国の回答者サンプルを用いた調査です。1993年衆院選の前と後(1−2)、1994年2月(非選挙時)(3)、1995年参院選の前と後(4−5)、そして1996年の衆院選の前と後(6−7)の7波のパネル・サーベイによって実施されています。回答回収方法は、1・2・6・7波は訪問面接法、3・4・5波は郵送法です。個票データ は、レヴァイアサン・データバンクから有料で公開されています。

  • JES III (2001-2005): 代表性のある日本全国の回答者サンプルを用いた調査です。2001年参院選の前と後(1−2)、2003年統一地方選前(3)、2003年衆院選の前と後(4−5)、2004年参院選の前と後(6−7)、2005年衆院選の前と後(8−9)の9波のパネル・サーベイで実施されています。2004年参院選後の第7波には、国際比較選挙世論調査であるCSES project (module 2)に使われた質問が含まれています。回答回収方法は訪問面接法です。個票データ・質問票は、SSJDAおよび投票行動研究会ウェブサイト(メールで問い合わせ)から入手可能です。

  • JES IV (2007-2011): 代表性のある日本全国の回答者サンプルを用いた調査です。2007年参院選後(1)、2009年衆院選前後(2−3)、2010年1−2月調査(非選挙時)(4)、2010年参院選前後(5−6)、2011年11−12月調査(非選挙時)(7)の7波のパネル・サーベイで実施されています。回答回収方法は、1・2・3・5・6波は訪問面接法、4・7波は郵送法です。個票データ・質問票は、SSJDA(第7波のみここ)および投票行動研究会ウェブサイト(メールで問い合わせ)から入手可能です。

  • JES V (2012-2014): この調査は、インターネット・郵送・電話の3つの回答回収方法でそれぞれ行われています。なお、日本全国の回答者サンプルは用いていますが、JESIVまでと違い代表性のあるサンプルは厳密には用いられていません。各調査は、20歳〜70歳程度(69歳もしくは75歳)の有権者を居住地域、都市規模、年齢、性別によって割り当てて抽出している。郵送調査については、JESIVのサンプルに継続してアタックしています。合計で、インターネット調査が7回(2012年衆院選後、2013年参院選前後、2013年通常時、2014年衆院選前後、2015年通常時)、郵送調査が5回(2012年衆院選後、2013年参院選前後、2016年参院選前後)、電話調査が2回(2013年衆院選後、2013年参院選前)行われています。個票データ・質問票は、投票行動研究会ウェブサイト(メールで問い合わせ)から入手可能です。

  • JES VI (2017-2019): 居住地域・性別・年代(75歳まで)によって割り付けされた全国の有権者を対象に、インターネット調査のみで行われています。2017年衆院選前、2019年参院選の前と後の3波のパネル―サーベイで実施されています。個票データ・質問票は、投票行動研究会ウェブサイト(メールで問い合わせ)から入手可能です。

  • JES VII (2021-): 全国の有権者を対象に、2021年の衆院選前後、2022年の参院選前後に調査が実施されています。回答回収方法、個票データ、質問票は今の所まだ公開されていないですが、おそらく投票行動研究会ウェブサイト(メールで問い合わせ)から入手可能になると思われます。

東大朝日調査 (UTAS: U-Tokyo Asahi Surveys) [2003–]

東京大学所属の研究者(蒲島郁夫・谷口将紀)を中心としたグループが朝日新聞と共同で実施している世論調査です。この調査の特徴は、共通の設問を含む世論調査(主に選挙後) and 政治家調査の双方を、2003年以降のすべての国政総選挙で実施していることです。世論調査は郵送法によって回答が収集されています。個票データと質問票は独自のウェブサイトから公開されています。

早稲田大学 (–読売新聞) 調査 [1996–]

早稲田大学所属の研究者(田中愛治他)を中心としたグループが実施してきた選挙世論調査です。2000年代以降、実査は読売新聞と共同で行うことが多くなっています。2010年以降はデータが公開されているかどうかが不明ですが、確認して適宜アップデート予定です。

  • JEDS96: 代表性のある日本全国のサンプルを用いた調査です。1996年衆院選の前と後に2波のパネル・サーベイで実施されています。回答記録方法はPAPI (Paper and pencil interview、訪問面接調査)です。このサーベイは、国際比較調査であるCSES project (module 1)の質問を含んでいます。個票データと質問票はSSJDAから公開されています。

  • JSS-GLOPE2003-04: 代表性のある日本全国のサンプルを用いた調査です。2003年衆院選の前と後、2004年参院選の前と後に4波のパネル・サーベイで実施されています。回答記録方法はPAPIです。個票データと質問票はSSJDAから公開されています。

  • Waseda-CASI&PAPI2007: 代表性のある日本全国のサンプルを用いた調査です。2007年参院選の前と後に2波のパネル・サーベイで実施されています。同じ質問票を用いて、PAPIとCASI(computer assisted self-administered interview)の2種類の方法で回答を記録しています。CASIは、調査員が戸別訪問し、タブレット端末を用いて回答してもらうという形式で行う回答回収方法です。個票データと質問票はSSJDAから公開されています。

  • Waseda-CASI&PAPI2009: 代表性のある日本全国のサンプルを用いた調査です。2009年衆院選の前と後に2波のパネル・サーベイ(6月〜8月)で実施されています。同じ質問票を用いて、PAPIとCASIの2種類の方法で回答を記録しています。個票データと質問票はSSJDAからすべて公開されています。

  • Waseda-CASI2010: 代表性のある日本全国のサンプルを用いた調査です。2010年参院選の前と後に2波のパネル・サーベイで実施されています。データ収集方法はCASIです。個票データと質問票はSSJDAから公開されています。

政治学系世論調査(非選挙時)

選挙の前後とは異なるタイミングで行われてきている、政治学系の世論調査です。

  • JEDS2000: 代表性のある日本全国のサンプルを用いた調査です。主調査は2000年4−5月に行われ、その後第2波のパネル・サーベイが2000年10−11月に実施されています。また、スノーボールサンプリングを用いて、主調査回答者の知り合いにも調査が実施されています。主張差の回答回収方法はPAPI(訪問面接法)ですが、第2波およびスノーボール・サーベイは郵送法で実施されています。個票データと質問票はSSJDAから公開されています。

  • GLOPE2005-07: 代表性のある日本全国のサンプルを用いた調査です。主調査は2005年11月(2005年衆院選の2ヶ月後)に行われ、その後第2波のパネルサーベイが2007年2月に実施されています。主調査の回答回収方法はPAPI(訪問面接法)ですが、第2波は実験的に半数がCASIで実施されています。個票データと質問票はSSJDAから公開されています。

  • Waseda-PAPI2009: 代表性のある日本全国のサンプルを用いた調査です。2009年の衆院選のおよそ半年前である2009年2月に単発で行われたサーベイで、回答回収方法はPAPIです。個票データと質問票はSSJDAから公開されています。

  • Survey on the Image of Foreign Countries and Current Topics (SIFCCT) 外交に関する世論調査/外国のイメージと時事問題に関する調査 (2011-13): 河野勝(早稲田大学)を中心とした研究グループによって、2011年10月から2013年9月まで毎月、合計24回行われたオンライン調査(調査会社:日経リサーチ)です。特に、外交や国際関係に関する政治争点に注目し、質問を構成しています。各12ヶ月続いた2つのパネル・サーベイと、毎月新規にサンプルをとって行われたフレッシュ・サンプルサーベイの2つに分かれています。個票データは複数の形で公開されています。まず、SSJDAから第1−12波パネル・サーベイ第13−24波パネル・サーベイ第1−24波フレッシュ・サンプル・サーベイの3つに分けてリリースされています。それとは別に、Harvard Dataverseから全データが公開されています。Harvard Dataverseから公開されたデータには、オンライン調査に加えて2012年11月に実施された郵送調査、およびSSJDAでは公開されていない回答者の郵便番号データ(要リクエスト)が含まれています。

政治学系設問を含む社会学系世論調査

  • JGSS (日本版 General Social Surveys) [1999–]: アメリカにおけるGeneral Social Surveys (GSS)とパラレルな調査として、日本で継続して実施されてきている社会学系世論調査です。 多くの政治に関連する質問を含んでいます。詳しくはJGSS研究センターのウェブサイトを参照してください。このウェブサイトから個票データ・質問票も公開されています。